2013年12月24日
再生可能エネルギーの持続的な育成を
太陽光や風力など再生可能エネルギーはできるだけ増やしたい。しかし、大切なのは持続的に伸ばしていくことだ。普及を後押しする支援策も、経済成長や電力の安定供給とのバランスを欠くようではうまくいかない。
再生エネルギーによる発電設備は6月末までの1年間で、火力発電所数基分にあたる366万キロワットが運転を始めた。再生エネルギーでつくった電気を電力会社が買い取る制度の導入後、最初の1年としては順調な滑り出しといえる。
ただ、国が制度の対象として認定した計画は合計2291万キロワット。稼働済み設備の5倍に及ぶ計画が手をつけられていない。消費者の負担増や送電能力の不足など様々な課題も表面化しつつある。
買い取り制度は事業者が一定の利益を得られるようにして再生エネルギーの普及を促す。買い取り価格は普及による発電設備の値下がりなどを考慮して毎年度見直すが、適用されるのは計画が認定を受けた時点の価格だ。
認可を受けた計画の9割以上は太陽光発電だ。
太陽光は初年度の買い取り価格が1キロワット時あたり42円。
今年度は38円に引き下げられた。
事業者の中には認定だけ受けて建設は先送りし、設備費用の低下を待つ動きもあるという。
経済産業省は認定した計画を改めて精査してほしい。
悪質な例は認定を取り消すこともやむをえない。
電力会社は買い取り費用を電気料金に上乗せし、最終的に企業や家庭が負担する。普及に伴い負担額は増える。現在の負担額は標準家庭で月額120円。5年後には3倍超になるとの試算もある。
再生エネルギーを着実に伸ばしながら、影響を最小限に抑える制度の見直しが欠かせない。認定の審査の厳格化や買い取り価格の適切な引き下げが必要だ。
送電インフラの整備も重要だ。北海道では大規模太陽光発電の計画が相次ぎ、北海道電力が電力の受け入れを制限する事態になった。風力発電の適地は6割以上が北海道と東北に集中する。
問題は国のエネルギー政策の全体像が見えない中で、発電設備の整備を促す買い取り制度だけが先行して進んでいるところにある。再生エネルギーを持続的に伸ばすには買い取り制度や電力制度改革、電力インフラの整備を一体で進める総合戦略が欠かせない。再生エネルギーの導入目標を具体的に示すことも必要だろう。
コメント欄
苦しいって記事。
ドイツでも無理できしたから
日本も無理なんでしょうね
再生エネルギーによる発電設備は6月末までの1年間で、火力発電所数基分にあたる366万キロワットが運転を始めた。再生エネルギーでつくった電気を電力会社が買い取る制度の導入後、最初の1年としては順調な滑り出しといえる。
ただ、国が制度の対象として認定した計画は合計2291万キロワット。稼働済み設備の5倍に及ぶ計画が手をつけられていない。消費者の負担増や送電能力の不足など様々な課題も表面化しつつある。
買い取り制度は事業者が一定の利益を得られるようにして再生エネルギーの普及を促す。買い取り価格は普及による発電設備の値下がりなどを考慮して毎年度見直すが、適用されるのは計画が認定を受けた時点の価格だ。
認可を受けた計画の9割以上は太陽光発電だ。
太陽光は初年度の買い取り価格が1キロワット時あたり42円。
今年度は38円に引き下げられた。
事業者の中には認定だけ受けて建設は先送りし、設備費用の低下を待つ動きもあるという。
経済産業省は認定した計画を改めて精査してほしい。
悪質な例は認定を取り消すこともやむをえない。
電力会社は買い取り費用を電気料金に上乗せし、最終的に企業や家庭が負担する。普及に伴い負担額は増える。現在の負担額は標準家庭で月額120円。5年後には3倍超になるとの試算もある。
再生エネルギーを着実に伸ばしながら、影響を最小限に抑える制度の見直しが欠かせない。認定の審査の厳格化や買い取り価格の適切な引き下げが必要だ。
送電インフラの整備も重要だ。北海道では大規模太陽光発電の計画が相次ぎ、北海道電力が電力の受け入れを制限する事態になった。風力発電の適地は6割以上が北海道と東北に集中する。
問題は国のエネルギー政策の全体像が見えない中で、発電設備の整備を促す買い取り制度だけが先行して進んでいるところにある。再生エネルギーを持続的に伸ばすには買い取り制度や電力制度改革、電力インフラの整備を一体で進める総合戦略が欠かせない。再生エネルギーの導入目標を具体的に示すことも必要だろう。
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苦しいって記事。
ドイツでも無理できしたから
日本も無理なんでしょうね
Posted by ヒトシ at 07:07│Comments(0)
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